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笹幸恵
2017.10.3 17:30

ガバナンス長

政局が目まぐるしく変わっていくので

目が離せない。

衆院解散の話が出てから今日までの

数日間で、これほどまでに野党の構図が

変わろうとは誰が想像しただろうか。

 

しかも「希望の党」はガバナンス長という

役職を設置するという。

幹事長に次ぐ権限で、国会議員以外も対象に

小池代表が指名するのだとか。

議員や候補者たちの人物評価や

SNSなどの発信、メディア対応まで管理する。

少し前に「都民ファーストの会」が都議への

取材制限をして「緘口令だ」と騒がれたけれど、

これと同じような具合か。

 

産経のネットニュースでは、ガバナンス長を

「コンプライアンス(法令順守)やガバナンス(統治)を

統括する」とその役割を述べた上で、

「透明性の確保を掲げる小池氏の意向が

色濃く反映する内容になった」と記している。

 

透明性の確保、といえば聞こえはいいけれど、

果たしてそうだろうか。

私にはもはや「異論を排除するシステム」にしか見えない。

合流を希望する民進党議員への“踏み絵”など、

彼らのスタンスを見れば明らかだ。

要するに小池代表の意に沿わない人は蹴落とすわけで、

結局行き着く先は「独裁者・小池」とその取り巻きの

「イエスマン」ばかりという構図。

 

それはつまり、

人間は間違いを犯す生き物。だからこそ議論する。

議論すれば少しはマシな決定ができるだろう、という

民主主義の考え方とは真逆の構図。

 

それに取り込まれたらラクですよ。

だって何も考えなくたっていいんだもん。

「お上」に任せとりゃー安心だ。

そうしてお仕着せの言葉を繰り返すだけの

スピーカーと化せばいい。

だけど私は「安倍独裁」も「小池独裁」も

どっちもイヤだ。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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